太れば世界が終わると思った

太れば世界が終わると思った

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出版社
扶桑社
著者名
キム・アンジェラ , 高原美絵子 , 西野明奈
価格
1,650円(本体1,500円+税)
発行年月
2021年7月
判型
四六判
ISBN
9784594088385

<鏡のなかのわたしとの戦争。終わりなき戦争>

17年におよぶ摂食障害と向き合い
自分の心を見つめ直した
韓国人女性の記録

美しい体って、誰が決めるの?

第一章 過食症を患う
虫になる/わたしはもともと、あばらちゃんだったんだから/ダイエットをやめられなかった/はじめての嘔吐/食欲という怪物/悪循環のループ/過食型拒食症/精神科での治療開始

第二章 摂食障害とともにやってくるもの
内向的であり、外省的/生まれつきの敏感さ/統制される生活/自己管理強迫/秩序への執着/痩せた体、もっと痩せた体/うつ病の洞窟のなかで/潔癖症のせいで/もう少しましな自分になりたかっただけ

第三章 美しい体って誰が決めるの
鏡のなかのわたし、写真のなかのわたし/オルセン姉妹とニコール・リッチー/映画やドラマのなかの摂食障害/摂食障害をラッピングするメディア/ヴィーナスとコルセット/「めちゃ痩せ」しなきゃ

第四章 わたしのなかで育つ恨みと痛み
母の最善/父の権威/わたしをダメにしてしまう/そんなに痛くない指/外見コンプレックスに陥る/生きてみたらわかってくること/家族になるための距離

第五章 両極端を経験して、自分なりのバランスを見つける
精神科治療の中断/わたしの話に耳を傾けてくれる人/シドニーに発つ/愚かな関係/失敗の記録/諦めて自由になる/しっかりとしていく生活/悪循環ではないが好循環でもない/新しい世界

【本書より】
もう一度鏡を見た。幼いころに映画で見た鏡のお化けはもういなかったけれど、代わりにほかのものがあった。わたしが決めた美の基準だ。それはわたしが鏡を見るたびにわたしの横に並んで立ち、わたしのことをせせら笑った。「でぶ」「その尻はなんなの」「二の腕の肉はどうするわけ?」「ぶさいく」基準はその時ごとに変わった。(中略)戦争がはじまった。鏡のなかのわたしとの戦争。終わりなき戦争。

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