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江戸時代中期の寛保2年(1742)、長野県と関東地方を襲った歴史的な洪水「戌の満水」。長野県内の南佐久郡から飯山市までの千曲川流域を信濃毎日新聞社の元記者がつぶさにルポ、大水害の全容を明らかにすると共に、その原因に迫ります。
なぜ千曲川流域だけで2800人余もの死者が出たのか――。残っている古文書や傷跡を各地に追い、航空写真や地形図を読み解くことで災害の構図が見えてきます。信州の一河川流域の水害ながら、日本一の長さを誇る大河の上流で起きた水害は「災害列島・日本」の縮図でもあります。「過去の災害を学び、現代に生かし、後世に伝える」図説書です。
この流域で発生した令和元年(2019)10月に起きた台風19号災害は、36年ぶりの千曲川決壊で大きな被害を及ぼしましたが、280年前の「戌の満水」に再び多くの人々の関心が寄せるきっかけにもなりました。これを受け、2002年初版の内容をブラッシュアップ、さらに「台風19号災害の記録」を巻末に特別収録した増補改訂版として、約20年ぶりに復刊しました。
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