ジントニックをもう一杯

ジントニックをもう一杯

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出版社
ふらんす堂
著者名
關考一
価格
3,300円(本体3,000円+税)
発行年月
2021年6月
判型
A5変
ISBN
9784781413136

◆第一句集

冬ざれに値段を付くる仕事かな

關考一は一介のサラリーマンではなかった。段々明らかになる氏素姓。家業では古くからの造園業を営み、好むと好まざると、俳句を始める以前から自然を刈り込む仕事を傍らで見て来た。そして、気がつけば大量の読書に因って培われた強記という“鋏”で刈り込むことを始めてしまっていた。

(帯・中原道夫)



◆自選十二句

ずぶ濡れのワイシャツ脱がむ夕の虹

ゴーグルに当たるものあり冬銀河

唇を噛めば春星うるみがち

カモナマイハウス狭き穴なり望潮

春愁に掛け回す蜜黒か白か

鰥にも荒地野菊の道はある

目玉さへ点眼薬の涼を欲る

空少し広うなりたる盆の明

盆明けや異界の如き会社へと

神の留守穴(とぼそ)・突起(とまら)にあそびかな

ダイキリのよく出る晩の守宮かな

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