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●技術は発展すれど、便益、意義の議論は不十分。経済学的にアプローチする
モビリティイノベーションの進展はめざましい勢いで進んでいる。CASE(「つながる(connected)」「自動化(autonomous)」「シェアリング(sharing)」「電動化(electric)」)革命という言葉も登場し、「こういうことが実現できる」「こういうことが便利になる」という近未来が(一種、夢物語のように)語られることが多くなった。
一方で、それが世の中に具体的にどのような便益を提供し、意義があるのかを理論化、モデル化した本というのは存在していない。本書は経済学を使ってその答えにアプローチする。
●ゲーム理論やマーケットデザインが制度設計に有効
モビリティ革命の利便性を享受するためには、個人の情報の開示が欠かせない。オープンになったデータが増えるほど、分析力が増し、生活の利便性も大きくなる。一方で、「自分だけは情報を開示したくない」という人もいる。このとき、その人の利得(効用)はどうなるだろうか? この場合は、ナッシュ均衡に代表されるゲーム理論の考え方が有効になる。
また、シェア経済(ライドシェアなど)の進展には、マーケットデザインの考え方が欠かせない。マーケットデザインでは、自分も選ぶが、相手も選ぶことが前提になっている。「誰がどこへ行きたいのか」「誰がどこまで乗せたいのか」のマッチングが重要となる。一方で相乗りとなると対象者が複数になり、最適解も複雑になる。今後、自動運転が実現されれば、運転手がいない相乗りも可能になる。社会的に一番効用が大きいマッチングを導き出すのも、経済学の役割だ。
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