国や企業の経済状況を始め、企業の財務状況や業績などを示すファンダメンタルズ(基礎的条件)を元に、証券の本質的価値を捉え(バリュエーション)、市場価格との比較を通じてその過大評価や過小評価を判断して保有すべき証券を決定する。これがファンダメンタル投資ないしファンダメンタル分析の基本である。
本書はそこに規律、すなわち「構造化された体系的な投資アプローチ」を提供する。
すなわち、ファンダメンタル投資の考え方とは相容れないところがある現代のファイナンス理論について、アクティブ投資に役立つのはどのような点か、の検討から始め、ファイナンスの考え方とファンダメンタル投資の考え方を融合させる。そして、バリュエーションと会計を設計する基礎を構築する。市場価値の背後にある考え方の理解、そして、信頼性のある資本コストの評価法、長期成長率を用いないバリュエーションなどである。
本書のサブタイトルは、ファンダメンタル投資やバリュー投資の理論の生みの親で、バフェットが「師をはるかに超越した存在」と語るベンジャミン・グレアムの古典的名著『賢明なる投資家』へのオマージュである。読者として投資家や、その資産運用を任された投資顧問・アナリストを中心に想定し書かれているが、同時に研究者や公認会計士、さらに会計規制当局や会計基準設定主体にも手厳しくその役割やあり方について重要なメッセージを託している。
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