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子どもと保育士が哲学することの意味、保育的雰囲気が支える対話的な学びが生み出すものについて論考した、これからの保育を考える視座となる一冊。
本書では就学前教育の創始者といわれるフレーベルがいうKindergarten(幼稚園:すなわち、垣や柵で囲まれた場所─その中で子供は静かに成長することができる)思想および「大人自身が子供との遊戯と交わりの中で再び若返る」「子どもたちとの交わりによって生の純粋な根源へと再び回帰する」(ボルノウ)といわれることの今日的意味を探るために、子どもと保育士がつくる哲学の時間に注目した。またその取り組みによって何がもたらされるのかを捉えることを目的とした。
庇護的な環境が整備され秩序がたもたれる保育園の生活では常に子どもたちが混沌とした世界で、たくさんの不思議に出会い、言葉を探し、思考し、保育士や仲間と共に対話しながら、おおらかに遊び暮らす姿が見えてきた。またそのような子どもたちの言葉に耳を傾けることで、日々の保育がより活性化することに気づかされた。以下において、子どもが哲学する時間のアクションリサーチを介して、大人自身も立ち止まり生きることの意味を回帰するという、フレーベルが志向する幼児教育施設の今日的意味を考えていきたい。
(本書「はしがき」より要約)
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