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本書はクレペリン《精神医学》の第2冊として、躁うつ病とてんかんを主題とする内容をふくむ。
周期性ないし循環性精神病の概念は、19世紀からことにフランスで唱えられたが、この中にはマニー、メランコリー、譫妄のほかに急性デメンチア(今日の緊張病)、ワーンジン(急性幻覚妄想症)、一過性マニアなどがはっきり区別されずに入っていたのであろう。妄想のあるマニー、妄想のあるメランコリーなどという名称もあった。これら混沌としたものから精神分裂病と躁うつ病を析出させたのはクレペリンの功績であり、マニーとメランコリーをまとめて躁うつ病としたのである。
これは偉大な功績であった。この100年近くクレペリンは乗りこえられえない存在であった。そしてこれは驚くばかりの新鮮さで、現代精神医学の立つ土台を実感させるであろう。
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