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日本人は古来よりキツネに騙され、化かされたという歴史を持っている。
ところが最近の日本人はキツネに騙されなくなったなどと言われている。
自然破壊、高度成長、科学合理主義、村社会の崩壊……。
要因はいろいろ挙げられる。しかし、怪異蒐集家として言わせていただくと、 現代の日本人もキツネに化かされ続けていると断言できる。
しかし一方でこの現代社会において、ほんとうにキツネが人を化かしたりするものなのだろうか?
寄せられた怪異体験談を分析しながら、そのメカニズムを解いてみようと思う。
「からまる脚」(10分)
石狩地方へサイクリングに出かけた数人の中学生。 ある神社の前で肝試しをした。すると夕闇の中、和服美人がハイカーを誘惑しているのを見かける。一人の中学生がこっそりとその後をついて行くと、やがて二人は愛の行為をしだしたのだが…。
「峠の女」(7分)
昭和30年代、ミュージシャンSさんの父がバイクでの帰り道、和服姿の美女が道端にしゃがんでいるのを見かけた。声をかけてみるとどうやら足を怪我しているらしい。 彼女をバイクの荷台に乗せて峠を下ったのだが…。
「山の郵便配達」(9分)
ある郵便配達人。配達をしていてその日最後の手紙の住所がどうも覚えのない場所だった。あたりをつけて行ってみると確かに立派な一軒家がある。中から和服美人が現れ、中へ入るように誘ってくる。思わぬ誘惑に負けて中へ入ってみると…。
「いぬ」(8分)
動物が喋るとなると、妖怪に一歩近づくのだろうか? ある主婦が掃除をしていると、飼っていた老猫がむっくり起き上がり…。
「猫石」(7分)
中山本人の体験談。庭の選定師の方を取材していた時、それなら面白いものがあるからと、ある場所へ連れて行ってもらったことがある。ある家の庭に、なんと猫の顔と思しき石があり…。
「バスの運転手」(16分)
ある女性の父は会社役員。休みの日には必ずゴルフに出かける。 ところがある晴れた日曜日の午後、その日は珍しく父が家にいた。その理由を聞けば「どうも、キツネに騙されたみたいや」と、今朝あった不思議な体験を話し出した。
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