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命さえ惜しくない愛に巡りあったとき人は――」
江戸菓子の魅力と人情がたっぷり詰まった大評判の時代小説シリーズ第3弾。
おっとりした菓子職人の晴太郎と、商才に長けたしっかりもの幸次郎の兄弟は、年老いた茂市に手伝ってもらいながら、江戸の菓子司「藍千堂」を営んでいる。
菓子一筋だった晴太郎が、佐菜に恋をして結婚。男所帯の藍千堂に佐菜とその娘のさちが加わったことで、暮らし向きは華やかになった。
そんな時、いとこのお糸は、縁談が発端となり実家の「百瀬屋」が窮地におちいる。
命をかけて愛する相手に出会ったがゆえに絶望の淵に突き落とされた人々を、晴太郎兄弟は和菓子で笑顔にできるのか。
寒天入りの飴が練りこまれた「変わりわらび餅」、極上の砂糖を煮詰めた「かるめいら」など、晴太郎が工夫を凝らして作り上げるお菓子の描写が食欲をそそります。
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