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身近な精神疾患の数々と、その対応法が理解できる入門書!
チェックリストやマニュアルで自己判断が可能なほど精神医学はイージーなものではない。
長年、患者を観察し続けてきた精神科医だからこそ確認し、解説できる精神疾患のパターン。
本書では、双極性障害や統合失調症から、閉ざされた家の怖さや共依存などまでをつぶさに検証し、読者が精神疾患に対して「よりリアルな」イメージを持ち、理解することができるようになっている。
紹介されるエピソードはどれも興味深く、作家でもある著者ならではの筆致に引き込まれ、人間の精神の深淵を窺い知ることができる。
また、患者、人間にとっての幸福とは何か、精神科医の仕事とは何かについても考察。
病気への理解の大切さ、精神医療における生々しい問題点も浮かび上がらせ、当事者や援助者だけでなく、一般読者にとっても非常に興味深い内容に。
たとえば双極性障害を患う内科医は、家族が体面を気にしなければ別の人生になっただろう。
あるいは新型うつ病を訴える患者は、詐病しているわけではなく、本人は苦しんでいるが、周囲の理解は得られにくい。
時代による精神疾患の変化、社会の問題なども詳らかにする。
■目次より抜粋
序章 やってはいけない
悪魔の誘惑/患者の本当の姿は分からない
第一章 「うつ」問題
「うつ」にもいろいろなタイプがある/抗うつ薬投与の対象になるか?/自殺について
第二章 躁と双極性障害
双極性障害/性格における躁/陽キャと躁
第三章 パーソナリティー障害と「困った人たち」(付 クレーマー対応法)
パーソナリティーの偏り/境界性パーソナリティー障害/クレーマーについて
第四章 神経症は気の迷い?
神経症と人柄/砦としての神経症/カウンセリングについて
第五章 統合失調症――懐かしい狂気
連想と日常感覚/節約第一、の人/派手な症状
第六章 家という異界
歪な価値観/家族と認知症老人/引きこもりの場合
第七章 これは病気なのか
幸福の追求/健気な妻/毒親/セルフネグレクト
終章 治ることと元に戻ること
原状復帰/病という体験
■著者略歴
春日武彦(かすが たけひこ)精神科専門医、作家。1951年、京都府生まれ。日本医科大学卒業。医学博士。産婦人科医を経て精神科医に。都立精神保健福祉センター、都立松沢病院精神科部長、多摩中央病院院長等を経て、成仁病院勤務。甲殻類恐怖症。『猫と偶然』(作品社)、『援助者必携 はじめての精神科』(医学書院)、『無意味とスカシカシパン』(青土社)、『鬱屈精神科医、怪獣人間とひきこもる』(キネマ旬報社)など著書多数。
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