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戦争は国家が企てる途方もない愚行である
求められるのは上官に対する屈辱的で盲目的な服従のみである
『服従の拒絶 Refus d’obeissance』(1937年)
『純粋の探究 Recherche de la Purete』(1939年)
『ドミニシ事件覚書 Note Sur L’Affaire Dominici』(1954年)を収載。
第一次大戦に参加したジオノは、今にも戦争が勃発しそうな不穏な空気を
読み解こうと、反戦の書『服従の拒絶』を、さらに宣戦が布告されると
『純粋の探究』を発表。
国家の意図によって国民がまきこまれる戦争の無意味さ、欺瞞的側面を
あばきだそうと試みた。その後、政治には口出ししないと決めていた
ジオノだったが、ガリマール社の依頼で、迷宮入り間近で、殺人現場の
近くに住む農民が犯人とされ死刑宣告された「ドミニシ事件(1952年)」
の裁判を傍聴。ジオノは彼が犯人だとはとても思えない。
そして『ドミニシ事件覚書』を判決直後に出版。
ジオノはこの裁判の問題は、被告の貧しいフランス語力にあるということと、
裁判長や陪審員たちの判断がいかに偏見と思いこみに基づいているか
ということを豊富な実例を挙げて明解に指摘した。
この地方の農民の生活を知悉するジオノだからこそ、
書くことができた作品であった。
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