28のテーマで読むビザンツ帝国史
ビザンツは、4世紀に東西に分かれたローマ帝国の東側に始まり、15世紀にオスマン・トルコに征服されるまで、大帝国から最後は地方の小国に縮小しつつも、1100年あまりにわたって東地中海を中心に存続した。だが、世界史のなかで重要な位置を占める国家でありながら、これまで日本では今ひとつなじみが薄かった。
本書では、「ラヴェンナ・モザイク」「ギリシア正教」「聖像破壊運動と聖像崇敬」「ビザンツの経済」「宦官」など、政治・宗教・文化・経済等に関する28のテーマが時代順にならび、西欧やイスラームとの関係のなかで、立体的に解説される。700年にわたって地中海貿易で活躍したノミスマ金貨に彫られた図像の変化や、「書評の発明者」といわれる9世紀の文人など、興味深い情報も多い。ビザンツの文化は当時からヨーロッパ諸国の羨望の的であった半面、ヴォルテールやギボンなど、後世の思想家・歴史家から激しい中傷も受けてきた。その偏見についても原因が考察される。
近年のビザンツ史研究の動向を反映し、西洋史ファンの期待にも応える、ダフ・クーパー賞受賞著者による1冊。
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