巻頭特集:子ども学研究への提言2021/特集1:子どもという政治/特集2:子どもの社会参画/特集3:
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本誌『子ども学』からの発信
2020年初からの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,世界中に猛威を広げている。保育・子育ての場のみならず,社会全体に深刻な影響をもたらしている。収束までには,数年間はかかるという医療関係者の見解がある。子どもや人間を対象とする科学(保育・教育・心理・福祉分野の学問分野など)と実践内容の本来的意味が浮き彫りにされてきた。医療・看護職はもちろんだが,子どもや人間に関わる専門職の社会的価値が再考されてきているが,改善すべき課題も山積している。こうしたなかで将来の展望を構想するにあたり,課題の発見もあるのではないか。新しい研究内容や研究方法,さまざまな分野での豊富な実践事例も登場してきている。
子どもは,仲間と共に成長・発達し,人間同士の「密」の関わりのなかでこそ,あそび・生活を創造していく。大人たちは,社会全体の仕組みの最前線で労働し,家庭生活を維持するため懸命に生きている。専門職は,子ども・人間の生命と安全を守り,共に生きるよろこびの実現のために,条件の厳しさのなかで奮闘している。では,学問としての子ども学は,現状と課題をどうとらえていくのだろうか。
時代の大きな変動期,すでに10年の歴史をもつ本誌『子ども学』の発信が問われている。新たな学問の創造には,実践者と研究者とが学問的視座をもち協働すること,あるいは従来にない領域・分野との交流から成果が生み出される面もある。本誌『子ども学』からの発信により,実践現場へ,ほかの学問領域への問題提起が可能になってきている。本誌の積極的普及と内容への参画を呼びかけたい。
(編集委員長 白梅学園大学大学院特任教授 近藤 幹生「まえがき」より)
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