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角本良平は超人的な研究活動を行い膨大な数の貴重な研究実績を残したが、その事後的整理がなされているのかと問えばその限りではない。角本の生誕から百年を過ぎた今日、その研究の旅路を辿っておく重要性は極めて大きい。角本を忘却の彼方に置くとすれば学界の損失でもある。
角本は自ら考え、自ら現場を冷静沈着に観察し、それを可能な限り客観的データで確認した。その研究プロセスから数々のユニークな提案を行った。それらを全10章で紹介するのが本書の大きな狙いである。先行文献の乏しかった中での都市交通の研究、東海道新幹線建設事業での経験を生かした通勤新幹線構想、高速道路料金決定原則での時間便益算定への疑念、土光臨調に先立って分割民営化を提唱した国鉄改革論、その視点からの道路公団改革、郵政改革への評価等多岐にわたる角本の主張を整理・紹介する。その上で交通の本質を文化、哲学、宗教との関連での探究に努めた。
角本交通論の特色は実学であり、その手法を演釋・帰納ではなく、類推、類型に求めた。その背景には角本の人並外れた豊富な研究量があり、実学としての交通学の体系化が生み出された。角本の交通探索の偉大な足跡を振り返る意義は大きい。
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