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ロコモティブシンドローム(運動器症候群,略称ロコモ)は2007年に日本整形外科学会が提唱した概念であり,運動器の障害により移動機能の低下をきたした状態と定義される.超高齢社会を迎えた本邦においてロコモを克服して健康寿命の延伸に貢献することは社会の活力維持に不可欠であり,その対策は国民的課題となっている.日本整形外科学会編による「ロコモティブシンドローム診療ガイド2010」が出版されてから10年以上経過し,ロコモティブシンドロームの診断そして予防・治療とも大きな進展があった.フレイルやサルコペニアとの関係,将来への展望も含め,新たな知見を盛り込んだロコモティブシンドローム診療ガイドを策定する.前半はCQ形式でロコモの概念や評価,予防対策についてエビデンスに基づき解説,後半の資料編では運動器リハビリテーションの実践法や啓発活動を紹介した網羅的かつ実用的なロコモガイドである.
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