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「田園都市線」の路線名称は、改めて言うまでもなく「多摩田園都市」に由来します。東急を興した一代の傑物、五島慶太が戦後間もない昭和28(1953)年、将来の東京における人口の過密を予測して発表した「城西南地区開発趣意書」が、後に「多摩田園都市」と呼ばれることになる壮大なニュータウン開発計画の第一ページとなりました。
五島慶太は心残りなことに多摩田園都市を実現させる前の昭和34(1959)年に77歳で没しましたが、溝の口駅以西はこの「多摩田園都市」の中核をなす交通機関として建設されました。
田園都市線のルーツを遡れば、東京横浜電鉄を率いる五島慶太が昭和初期に渋谷で覇を競った玉川電気鉄道に行き着きます。本書では渋谷~中央林間を結ぶ沿線の歴史を各駅ごとにたどります。
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