取り寄せ不可
人はバラバラな現実を生きる存在であり,その現実を人の中でうつすのがナラティヴである。本書は,そうした裾野の広い概念であるナラティヴを臨床心理学の観点を中心にして,故河合隼雄によるユング派的な物語論から思想的最前線にある構成主義まで多岐にわたる論著を集めたものである。
臨床心理学の実践領域の広がり,研究方法の多様性に連動するようにして,ナラティヴアプローチの現在は多様である。また,ナラティヴは心理療法に共通する要因であるばかりか,「臨床」と目される多くの行為のなかに共通する要因と言ってよい。たとえて言えば,痛みがただあるわけではなく,痛みを物語るなかに痛みがあるのである。
本書は,『臨床心理学』誌上において好評を博した連続講座を一書にまとめたものである。ナラティヴという考え方をどう捉え,いかに日常の心理臨床に取り入れるか。多くの臨床心理を学ぶものにとって格好の一冊となるだろう。
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