アメリカ社会の人種関係と記憶

アメリカ社会の人種関係と記憶

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出版社
彩流社
著者名
樋口映美
価格
4,950円(本体4,500円+税)
発行年月
2021年5月
判型
A5
ISBN
9784779127564

アメリカ的な人種差別の構造と変遷を読み解き、歴史の再認識を問う!



18世紀末から今日までアメリカ社会で展開されてきた

人種関係史との対話。

先住の人びと、奴隷とされた人びと、移民として渡米した人びとなど、

異なる状況下で多種多様な人びとが紡ぎ出してきた

重層的アメリカ社会は、白人優位の人種差別が社会秩序として

刻まれてきた歴史をもつ。

その変遷を複雑な動態として個々人のレベルで捉えようと、

半世紀にわたって発表されてきた12の「作品」を収録。

今や人種差別問題は、「自分は何者か」「人とは何か」を問う

問題でもあり、その意味で本書は、歴史認識の変遷と歴史の問い直し

の現状を射程に入れつつ、

今を生きる私たちに「あなたは何をどう考えどう行動しますか」と

問いかける労作である。



〔主な目次〕

まえがき

  ◆第一部 奴隷制時代の自由黒人とアメリカ社会 

第1章 フランス/ハイチ革命の記憶と自由黒人(1790年代~1830年代)

三 フランス革命の「悪しき」影響

四 自由黒人デンマークの蜂起計画(1822年)――ハイチ革命を目指して

五 移住問題と自由黒人――忘却されるハイチ共和国

おわりに――フランス/ハイチ革命の忘却 ほか

第2章 自由黒人デンマークの蜂起未遂事件とチャールストン

二 奴隷とされていた人びとチャールストン――裁判から見える状況

三 奴隷制を基盤とする社会秩序形成 ほか

  ◆第二部 ウィルミントン事件の諸相

序にかえて ウィルミントン事件を見る視座

第1章 再建期のせめぎあい――ウィルミントンでの白人優越主義

二 黒人市民の活動開始――連邦軍黒人中隊に助けられて

四 民主党支配確立へ ほか

第2章 「白い革命」(1898年)

一 1890年代のノースキャロライナ州――「白い革命」の背景と展望

四 「白い革命」の担い手 ほか

第3章 「白い革命」下の黒人市民

二 「白い革命」の衝撃

三 黒人市民の進路 ほか

 ◆第三部 黒人コミュニティの可能性――シカゴの事例

第1章 黒人銀行家ジェシー・ビンガと仲間たち

一 起業するジェシー・ビンガ――様々な人びととのつながり

二 銀行という媒体に集う人びと ほか

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