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アーサー・マッケンは平井呈一が最も愛した怪奇小説家だった。二十代の頃、友人から借りた英国の文芸雑誌で「パンの大神」に出会った平井青年は、読後の興奮収まらず、夜が明けるまで東京の街を歩き回ったという。戦後その翻訳紹介に尽力、晩年には『アーサー・マッケン作品集成』全六巻を完成させた。太古の恐怖が現代に甦る「パンの大神」のほか、大戦中に英国の或る地方を襲った怪事件の顛末を描く中篇「恐怖」などの七編に、作品集成の解説すべてを併載。
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