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現在、親鸞についての著述は極めて多いが、明治中期、科学的な史眼には、親鸞は架空の人物として映っていた。
やがて同じ科学的な史眼によって、親鸞の実在が確認され、時とともにその人間像は、鮮やかに描き出された。
とりわけ、専修念仏に対する大弾圧は、親鸞を法然とともに流罪としたが、それによって反権力者としての親鸞、また悪人こそ救済の対象という悪人正機説の提唱者としての親鸞の映像を一層鮮明に結ばせることとなった。
八〇〇年の歳時をこえてもなお、現代人に、現代社会に機能し生きている親鸞の「いのち」が、いかに培われたのか、本書はその根源を解明しようとするものである。
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