取り寄せ不可
筆者の幼い頃、祖母から聞いた記憶から甦るある事故。それは明治43(1910)年に発生し、12名もの若者の命を奪った「逗子開成中學ボート遭難事故」であった。筆者は膨大な資料を読み解き、調査していくうち、一見、無謀な学生たちが起こした遭難事故だと思われた事故から三つの謎を見いだす。第一の謎は、事故は何故起きたのか。第二の謎は、消えた遭難者。第三の謎は、何故、事故の記憶は人々の脳裏から離れず未だに語り継がれているのだろうか。だが、この悲劇そのものは、既に世間からは忘れ去られていた。しかし、実はこの事故に深くかかわるある人物が歌の詞に託し「音楽」という形で、この悲劇を後世に残したのではないかと推論する。それも哀歌ではなく、愛歌、ラヴソングとして……。
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