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前近代の日本では、合戦即ち戦争をどのように考え、感じ、表現していたか。それを考えることが、本書の目的である――。
本書は、人々の合戦に関わる思考や感情を包括しつつ、歴史叙述、信仰、異国合戦、武士道など、多岐にわたるテーマを扱い論じていく。分析の対象は『平家物語』『曽我物語』『太平記』『予章記』などの諸作品のほか、「軍記」「軍神」「良将」「武士道」といったいっけん自明な言葉の概念にも及ぶ。
これからの軍記物語論のためになくてはならない書です。
【前近代の日本では、合戦即ち戦争をどのように考え、感じ、表現していたか。それを考えることが、本書の目的である。書名に用いた「合戦の心性」は落ち着かない言葉だが、たとえば武器を取って戦っていた者はもちろん、突撃を命ずる者、戦いの周辺で被害に遭った者、勝利や無事を祈っていた者、ただ傍観していた者、そして後にその物語を語る者・聴く者等々、さまざまな人々の合戦に関わる思考や感情を包括するつもりで選んだ表現である。】......「はじめに」より
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