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輸液管理において,ビギナーナースが「安全に対応できる」ことを目指し,根拠を示しながら技術を解説した実践書.輸液のキホンとなる浸透圧や電解質などの考え方もわかりやすく紹介.身近でよく遭遇する15のトラブル事例にそってイザというときの対処方法もとり上げた.看護師自身が“安心”して“自信”をもってケアできるための一冊.写真・図も豊富で,わかりやすい!
【序文】(抜粋)
【一人前をめざすナースのための明日から使える看護手技】というテーマに基づいて内容を熟考しました.その際には,自分の経験だけではなく,ヒヤリハット報告の内容,一人前になりたてのスタッフの意見も参考にしました.それは,おもに新人のナースに,よりリアルに,すぐに役立つかたちで臨床で活用してもらいたいと思ったからです.
輸液管理は,病院での治療だけではなく,クリニック,在宅医療などでも実施されます.また病院内においても,一般病棟だけではなく,外来,手術室,透析室,ICU などのユニットの違いや,急性期,慢性期,終末期など分野の違いに関係なく実施されます.ということは,私たち看護師が,必ず身に付ける必要のある手技ということになります.そしてこの手技は,バイタルサイン測定や清拭などの生活援助と同様に,毎日の業務の中でも実施する頻度が多いものです.そのため,比較的早い段階で習得する必要があります.
では何から学ぶ必要があるのでしょうか.ただ単に医師から指示された内容だけを,またお決まりの手順だけを見よう見まねで実施するのであればそれほど時間はかからないと思います.ですが,そのような方法では,根本を理解していないぶん応用もきかず,結果的に大きな事故につながってしまうことがあります.投与する輸液がどのような効果や副作用があるか,またそれはなぜか.使用する医材が適切かどうか,なぜ適切といえるか.投与する手順や医材の使用方法が正しいかどうか,またなぜ正しいか.これらを理解しているかどうかでは,安全性は大きく違ってきますし,自信をもって輸液管理を実施することができます.
また患者さんに何か質問されたことを想像してみて下さい.例えば,「この点滴はどんな効果がありますか?」「この装置(輸液ポンプなど)は,何か注意することがありますか?」などです.この場面でしっかり説明ができないようであれば,輸液を実施される患者さんは不安になり治療を受けられません.患者さんが安心して治療を受けられるためには,輸液の種類や基本的な効果,使用する医材や医療機器の正しい使用方法や管理方法を学ぶ必要があります.その結果,“自信をもって”“安全”に実施することができ,患者さんの“安心”につながると私は思います.
2021年4月
雀地 洋平
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