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全盲の青年が日本語でエッセイを書くまで
スーダン出身でアラビア語を母語とするアブディン氏は、生まれた時から弱視で、12歳のころ視力を失った。19歳になるまで、教科書以外の本は5冊も読んでいないという。ひょんなことから来日した彼は、日本語の勉強を始めると、点字や朗読テープを通じて本を読むことに夢中になる。
福井の盲学校では鍼灸を学び、ホストファミリーにおやじギャグと福井弁を習った。さらに彼の世界を広げたのは、粘土を使って漢字を教えてくれたボランティアの先生だ。周囲の手を借りながら、彼はまさに手探りで日本語を習得していった。
大学進学後、友人の勧めで書いたエッセイには、諺や慣用句、日本語らしい言い回しが多用される一方、独自に編み出された個性的な表現も多い。そんな日本語の表現力を、見えない彼は一体どうやって身につけたのか。そして、実際にどうやって文章を書いているのか。
本書では、文字を失った彼が点字と出合い、日本語を習得していく過程と、のちにパソコンを通して自由に読み書きができるまでの苦闘の日々を振り返る。聞き手となるのは日本語教育を専門とする河路由佳氏。関係者のインタビューも併せ、全盲のエッセイスト誕生の背景に迫る。
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