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写真やテレビなどの隣接する表象芸術に目を配り、カメラやフィルムなどの撮影機材、照明や編集などの技術的側面の変化を踏まえ、記録映画・実験映画・劇映画を同列に置いてその人的交流や表現の境界線を論じ、数多著されてきたハリウッド中心主義の歴史とはまったく違う、新たなパースペクティブを創出する。かつて誰も語り得なかった、〈アメリカ映画〉の真の姿! 本書は、アメリカ映画の一時代を従来とはいささか異なる視角から眺め渡すことを目指している。課題の一つとなるのは、意識的な現実探求、外観的「本当らしさ」の追求、あるいは外観の再現を超えた“真相”への志向は、合衆国映画界の場合、いかなる動因によって生じ、いかなるかたちで展開していったのか、を問うことだ。 扱う領域はほぼアメリカ映画に限られているものの、メジャー系/独立系、あるいは劇映画/記録映画/実験映画、さらには写真/映画/テレビといった区分けをひとまずカッコに括って、これらが秘めている相互作用のほうに着目したい。実のところ、一九六〇年あたりを境として、スタジオ映画においてさえこうした区分けが無効化し始めていることが明らかになるだろう。(「序に代えて」より)
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