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現在、国際的にも再評価が高まる具体美術協会の会員として知られる小野田實は、日本の戦後美術を語る上で重要な前衛画家の一人である。1965年から1972年の具体美術協会解散まで同協会に所属し出品を重ね、海外での具体美術への注目の中で独特の存在感を示した。同時に、その7年間の具体時代は小野田の画業において一時期に過ぎない。60年代には自身の作品を「繁殖絵画」と名付け、胡粉とボンドを混ぜ合わせた有機的な支持体に色とサイズの異なる無数のマルで画面を覆い尽くしたが、70年代に入るとマルは正方形のキャンバスの中央に置かれたシンプルで普遍的な真円に集約され、大量生産・大量消費時代を反映する新しい抽象を志向した。
2021年4月より姫路市立美術館で初期から最晩年までの画業を網羅して開催される過去最大規模の回顧展「私のマル 小野田實」展、公式図録兼書籍。本書では、展覧会には出品されない海外コレクター所有の貴重な作品も多数収録。具体美術研究者が語る、書き下ろし小野田實論を掲載する。
小野田實(おのだみのる):1937-2008年。満州生まれ、戦前より姫路へ移住、その後の生涯、姫路を拠点に活動する。元永定正の紹介により1965年「具体美術協会」会員となり、第16回具体美術展に出品。堀尾貞治や今中クミ子、松田豐などと共に第3世代と呼ばれた。
関連展示
私のマル 小野田實(仮)
2021年4月10日(土)〓 6月20日(日)姫路市立美術館
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