雇用、金利、通貨の一般理論

NIKKEI BP CLASSICS

雇用、金利、通貨の一般理論

1~2日で出荷、新刊の場合、発売日以降のお届けになります

出版社
日経BP
著者名
ジョン・メイナード・ケインズ , 大野一
価格
2,860円(本体2,600円+税)
発行年月
2021年4月
判型
B6
ISBN
9784296000159

「南海の孤島を襲った疫病のように、35歳以下の経済学者は、たちどころにその熱に感染していった」――ノーベル経済学賞受賞者のポール・サミュエルソン(1915~2009)が、ケインズ『一般理論』の出現をこう書いている。
 大恐慌後の世界に天啓の如く現れた1冊の経済書が危機に陥った資本主義を救う指針となり、当時主流だった経済学のパラダイムを大きく転換した。

この革命的な本を日経BPクラシックス・シリーズのシュンペーター『資本主義、社会主義、民主主義』、ブキャナン、ワグナー『赤字の民主主義』、ノース『経済史の構造と変化』などの翻訳を担当した大野一さんが、画期的に読みやすい訳で提供する。以下は、第24章の有名な最後の部分だ。

 「知的な感化などとはまったく無縁だと考えている実務家も、いまは亡き経済学者に束縛されているのがふつうだ。天のお告げを聞く権力の座にある狂人も、数年前の三文学者から狂気を学び取っている。これはまちがいないと思うが、支配階級の力は、じわじわと侵食していく物の考え方に比べれば、著しく過大評価されている。まったくのところ、すぐさま侵食するのではなく、ある一定の期間をおいて侵食するのである。というのも、経済・政治哲学の分野では二五~三〇歳を過ぎてから新しい理論に感化される人は多くない。このため、官僚や政治家、また活動家でさえも、足元の問題への対応で利用するのは、おそらく最新の物の考え方ではないだろう。それでも、早い遅いの差はあれ、良くも悪くも危険なのは、支配階級ではなく、物の考え方なのである。」

お気に入りカテゴリ

よく利用するジャンルを設定できます。

≫ 設定

カテゴリ

「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。

page top