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しだれ桜、桃、紅梅、杉、花水木、牡丹、そして沙羅双樹。京都・嵯峨野の寂庵に四季を通じて咲き誇る花々は、出会った人たちが小枝を提げ植えてくれたものばかり。40年以上の年月が過ぎて庭はひとつの森のようになった。どの木も花も、携えて来てくれた人々の表情をありありと思い出させてくれる。さらに、北鎌倉・東慶寺の八重桜、葵祭の葵の葉、岩手・天台寺の紫陽花、北京の蓮など、まるで邂逅録のように人生における出会いと別れが花に言よせて綴られていく……。
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