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目に見えぬものたちに
イヌになったわたしは
う おん
ちいさくほえ
根もとを前脚でほりさげる
わたしの眼に
やにのような泪がうかんでいる
(「感傷」)
「彼女の作品のどの一篇にも、むずかしい詩語、こみ入った比喩、思わせぶりな言いまわし、持ってまわった構文は、まったく無い。それなのに一読、読者は目くるめく謎のまっただ中に抛りこまれる」(高橋睦郎)。第1詩集『樹間』の鮮烈な登場から『無月となのはな』(晩翠賞、日本詩人クラブ新人賞)をへて、これまで6冊の詩集によって、その存在を際立たせてきた詩人による初めての選詩集。解説=粟津則雄、岡井隆、粕谷栄市、三浦雅士、池井昌樹、杉本真維子
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