「子どもの精神分析的セラピストになること」とはどういうことか?
そこには,心に傷を受けた子どもたちの「言葉にならない,声なき声」を感じ,「目に見えないものを見ていく力」を養わなければならず,その過程で「自分自身と対話」することが必然的に求められる。
本書では,その実践と訓練を積み重ねてきた中堅世代のセラピストによって,子どもたちとの関わりを通して考え,感じてきた不安や混乱や葛藤,また,臨床家としての情熱ややりがい,信念につながる情動経験が生々しく語られ,子どもの精神分析的セラピストになるうえでの主要なテーマが論じられる。
さらにベテラン世代の臨床家にも寄稿を募り,精神分析的セラピストのアイデンティティや資質,セラピストの教育・訓練についての貴重な論考が収載されており,子どものセラピストを目指す人や実践している専門家に限らず,子どもを通して自身が成長することに興味を持つ人にもお薦めしたい一書となっている。
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