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深川に、少女の夢が花開く。
房州勝山の菜種農家の末娘・二三は、黄色い海原のように潮風に揺れる菜の花畑を駆け回って育った。しかし、まだ甘えん坊のわずか五歳にして、江戸深川で親類が営む油問屋の跡取りとして貰い受けられることとなった。そこは良質な菜種油だけを商うことで江戸中に名の通った大店。「家族に迷惑をかけないように」。二三は今にも溢れ出しそうな望郷の念をそのあまりにも小さな胸に押し留め、手習や料理の厳しい修行の日々にも決して弱音を吐かず、他の大店からのからかいにも気丈に振る舞い続けた。持ち前の器量や母親ゆずりの天ぷらの腕前、周囲の温かな支えもあり、やがて深川の誰もが認める跡取りへと逞しく成長してゆく。いよいよ元服を迎えた二三は、怪我の当主に代わり、深川の油問屋の世話人たちが集う江島神社参拝に赴くことに。しかしその夜、寝静まる宿に江戸から来たという雑穀問屋の口から信じ難い知らせが飛び込んできた。「深川の町が、燃えている!」。抗いようもなく降りかかる幾多の苦難、倒れそうになった時にこそ道しるべとなるかけがえのない出会い。自分を信じてひたむきに前を向き続ける少女に光を当てた、涙の江戸人情物語。解説は末國善巳氏。
【編集担当からのおすすめ情報】
農家の末娘が大店の跡取りに!?
波乱に満ちた運命を、数多の出会いが明るく照らす。
直木賞作家による涙の江戸人情物語
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