本書は、2017年1月から2021年1月までのトランプ政権の実績を、“政策の変化”という観点から分析するものである。アメリカでは、民主党・共和党間での政権交代が定期的に行われており、政党間のイデオロギー的距離も広がっているため、政策の変化・揺れ・振幅が、諸外国に対して比較的大きい。
ただし、トランプ政権の政策には、共和党主流の立場と合致したものもあれば、そこから大きく逸脱したものもある。しかしながら、このような側面にはあまり触れずにトランプ政権に対して粗い評価がなされているため、本書はこの部分に留意しながら、4年間のトランプ政権を分析するものである。中国との摩擦・軋轢が激化している状況に鑑みても、アメリカをはじめ今後の世界政治・外交を分析していくうえで、重要かつ示唆に富むものである。
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