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『永遠の0』への不審、『昭和天皇実録』編纂者の虚実。
197冊が教える歴史上の意味。
第一人者による初のブックガイド
便利な人名索引付
「書評とは、その本の著者の個人的感情よりも、本そのものの持つ社会性や歴史的意味を問うのが使命だと私は思っている」
【本文より】
昭和の軍人が単調で思い込みが激しく、自制や自省に欠けていたのは、読書量が少なかったからである。感性が育つと面倒との理由で、軍人教育ではむしろ一般書や教養書は読むなと厳命されていた。逆に、本をよく読んだタイプは戦争に消極的で、その終結に努力した。これは歴史的事実で、記憶しておくべき点である。(序章 私の書評論)
本に向き合うということは、著者が背負ってきた時間、つまり著者の人生に対峙することでもある。読者の姿勢も自ずと問われよう。むろんすべての読書がそのような緊張感に縛られるものではない。ただ、何らかの学識や知恵、あるいは良識を身につける機会を与えてくれる本と向き合う時は、相応の姿勢、態度が求められると思う。(序章 私の書評論)
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