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第1章では,キリスト教民主主義の現代性について問題提起的に考察した。
第2章では,ヨーロッパキリスト教民主主義について,概観を試みた。
第3章では,1930年代ヨーロッパ比較政治の一側面として,キリスト教民主主義とコーポラティズムについて論じた。カトリックの大衆社会への対応に注目すると,その変革の方向が中世社会をモデルとするコーポラティズムの実現に求める流れであったということができよう。
第4章において,第2次世界大戦後のキリスト教民主主義をヨーロッパの規模で論じようとする。1940年以前,ヨーロッパのカトリックの支配層とカトリック政党は,個人の権利よりも社会の権利のほうに開かれていた。第2次世界大戦後,キリスト教民主主義者は,個人権を含む市民の基礎的な権利を保護することを義務とする立憲国家の理念に合体することになる
第5章では,冷戦から冷戦後にわたるフランスのキリスト教民主主義の問題点を指摘する。ヨーロッパの他の大部分の国々の経験と違うフランスのカトリックは,ベルギー,イタリア,スペインのような大衆的なカトリック政党の発展に比べ,失敗した。
第6章では,『シャルル・エブド襲撃事件』の問題に注目し,カトリシズムとライシテの対抗を論じた。
第7章では,ベルギーのキリスト教民主主義について考察した。ベルギーでは,国家と教会の関係を見ると,カトリックは国家の諸制度で保護されており,教会財産の優遇や国家財政からの教会への支出は相当程度のものであった。
第8章では,ドイツのキリスト教民主主義について考察する。政治的にはドイツのカトリックは,19世紀になってから3度にわたる大きな打撃を受けた。その第1は、神聖ローマ帝国が崩壊して,カトリック系の地域はその多くがプロテスタント系の諸邦に合併された。第2は,ドイツの統一がプロイセン主導のもとに行われたこと。第3は,文化闘争という厳しい迫害を受けたことである。
第9章では,イタリアのキリスト教民主主義について考察する。第2次世界大戦後のイタリアキリスト民主党の躍進と,長期にわたる政権与党の持続は目覚ましかった。
第10章では,フランスで,19世紀後半から20世紀前半にわたって,国会議員にもなったノール県の一人の司祭について論じた。
第11章は,政治学者中山洋平氏の 『戦後フランス政治の実験 第4共和制と「組織政党」 1944-1952』 (東京大学出版会,2002)の「書評」である。
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