光聴

光聴

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出版社
素粒社
著者名
岡田一実
価格
2,200円(本体2,000円+税)
発行年月
2021年3月
判型
B40
ISBN
9784910413020

第11回小野市詩歌文学賞受賞の前句集『記憶における沼とその他の在処』より、約3年ぶりの著者新句集。



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この作者は、目に映り、耳に聞えるものを、ふつうの感受のしかた以上に克明かつ分析的に捉え、それをやや理屈っぽくも見える、解像度の高い言葉遣いで再構成する。だが、決して「言葉だけで遊んだ俳句」ではない。

生身で受け止めた世界の手応えを、徒労すれすれの誠実さと、いくぶんかの不器用さと生硬さをもって一句に仕上げる。その句はしばしば、今まで見たことがなかったような物事の相貌を見せてくれる。

--岸本尚毅(本書帯文より)



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疎に椿咲かせて暗き木なりけり

空に日の移るを怖れ石?玉

闇を瞠るや冷房の幻聴に

可笑しいと思ふそれから初笑

菊吸や茎に微塵のひかり入れ

人と舟秋解纜にひとつ影

返り花川は巌の段に急

仮初に涼しと詠みて徐々に情

鵯の山雨をこゑに私す

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