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【受賞】
第43回サントリー学芸賞(政治・経済部門)を受賞しました!
21世紀に入り、ヨーロッパでは右翼政党の台頭や反移民感情の高揚が問題になっている。こうした右傾化や排外的な動きに対して、これまで新聞やテレビなどでは、社会から置き去りにされた、貧困に喘ぐ人たちの怒りの表れであるという説明が多くなされてきた。
しかしそれは本当なのだろうか?
本書では、欧州難民・移民危機やユーロ危機以降のヨーロッパで行われた世論調査のデータを実証的に分析し、そうした言説(貧困に喘ぐ人々の怒りの表れ)に根拠がないことを明らかにした。さらに、こうした右傾化や排外主義の台頭は、実は経済的要因ではなく非経済的要因(文化や慣習、規則など)によって強く規定されていることも明らかにした。
そして、実際に右翼政党を支持している人たちはどんな人々なのか、どんな状況が人々の右傾化を生むのか、また中道政党が右傾化するのはなぜか、といったことをヨーロッパの個別の国を対象に分析していった。
加えて、著者が独自に行った世論調査では、右翼政党を支持する人たちのバックボーンを明らかにしたり、選挙キャンペーンに影響されるのはどんな人たちなのかを分析したりもしている。
人口減少社会を迎えた日本でも、コロナ禍で、いままで隠れていた移民の問題が浮き彫りになってきた。いつのまにか移民の受け入れ国になっていた日本は、今後、どのような社会を作っていけばよいのだろうか。
21世紀のヨーロッパを題材に、民主主義下における少数派の排斥という、古くて新しい人間の根源的な問題を取り上げた一冊である。
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