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「恐怖」という感情は人間だけでなく,ネコ,イヌ,ネズミ,ウマ,あらゆる生物が持っています。この「恐怖」という感情をなぜ持っているのか,考えたことはあるでしょうか?「恐怖」という感情は生物に備わった,本能のようなものです。例えば,ネズミはネコの匂いを恐れる本能を持っており,ネコの姿を一度も見たことがなくとも,匂いで存在を察知できるのだそうです。同様に、 人間もまた,恐怖を感じることで自分の身を守り、種を守って進化を遂げてきました。恐怖があるからこそ,危険を察知できるというパラドックス......。実は恐怖とは,ネガティブな感情ではなく,安心へと結びつくポジティブな側面を持っています。逆に安心感は,追い求めれば追い求めるほど,恐怖心を募らせていくという側面を持っています。本書は「個人と社会に幸福をもたらす恐怖のコントロール方法」,「恐怖が想像力と結びつく仕組み」,「恐怖から学び,癒やしに結びつける人間の潜在能力」など,心理学的アプローチで「恐怖」がもたらすさまざまな効果を解き明かします。本書を読むことで,恐怖について思いもよらなかった効果を知ることができるでしょう。今まで悪い感情だと思っていた「恐怖心」と,良い感情だと思っていた「安心感」について,価値観の転換をもたらすユニークな1冊です。
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