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本書について
プログラムという言葉を聞いたことがあるでしょう。プログラムとは、コンピュータを意図どおりに動かすための命令のことです。現在の社会は、非常に多くのものがプログラムによって動いています。たとえば、駅や牛丼屋の券売機について考えてみましょう。券売機は、ユーザからの入金を確認すると選択肢を表示し、ユーザが選択肢の1 つを選ぶと発券を行います。 このような、目標を達成するための手続き( これをアルゴリズムと呼びます) を記述したものがプログラムです。 本書は、このようなプログラムを「使う側」から、「作る側」になるための入門書です。プログラムを作る行為のことを、プログラミングといいます。プログラミングとは、より具体的には、プログラミング言語を用いてコードを書くことです。プログラミング言語とは、プログラムを作成するための人工言語です。 本書では、Java に基づいて作られたProcessing というプログラミング言語を用いてプログラミングの基礎を学びます。Processing は無料で利用できるオープンソースの言語です。容易に描画やインタラクティブアニメーションを実現できるのが特徴です1。同時に、より複雑なプログラミング言語であるJava やC 言語と似た文法で、簡単にプログラムが書けるため、プログラミング初心者の勉強用途にも適しています。
対象読者
本書の対象読者は、初めてプログラミングを学修する方々です。典型的には、理工系学部・ 学科の大学1 年生を想定しています。一方で、数年程度のプログラミング経験があり、かつ、Processing を使いこなすための技術を修得したい方には本書は適していません。本書はあくまで、Processing をいうプログラミング言語を用いて、プログラミングの基礎を身につけたい方に向けて書いています。
動作環境
Processing はmacOS、Windows、Linux で動作します。より詳細な動作環境は公式ドキュメント2 を参照してください。現在、Processing の最新安定バージョンは3.5.4 です。本書で紹介するコードは、上記のどのOS でも、バージョン3 以降のProcessing なら問題無く動作するはずです。 本書の構成 本書は2 部構成となっています。第1 部では、初めてプログラミングを経験する方々を想定し、プログラミングの概念、計算と描画、変数、条件分岐、繰り返し、配列などのプログラミングの基礎項目を扱います。第2 部では、上記の内容をふまえた上で、より効率的に複雑な問題を解くために必須である、関数について扱います。
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