第二言語の学習者は、事象をどのように言語化するのか、そして、母語話者の言語化とはどのように異なるのか―
本書は、認知言語学的な言語類型論に基づいて、日本語、英語、ハンガリー語を第二言語として学ぶ学習者の移動表現を詳細に考察するものである。ビデオ映像を用いた言語産出実験を行い、今まで研究が不足していた使役移動事象の表現も含めた広範囲のデータを分析する。その結果から、母語話者と学習者の表現を比べるだけでなく、日本語母語話者による英語・ハンガリー語表現と、その2つの言語の母語話者による日本語表現を双方向的に比較し、さらに複数の学習者言語を比較する。そのような多元的比較により、母語が第二言語習得に与える影響と学習者共通の特徴やストラテジーが明らかになる。さらに、その考察に基づいて、各言語教育において移動表現をどのように取り入れるべきかの提案を行う、精緻で画期的な書である。
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