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『随訓釈訳 黄帝内経素問序説』は、東洋医学における古典中の古典である『黄帝内経』を理解するために叙述された.従来の古典解説書では、原文、和訓、現代語訳の順に、各項目が連携なく記載されることが多い.和訓による読み下し文と原文との対比については、まだ追従できるであろう.また、この両者を対応させる配慮がなされた解説書もある.しかし、読み下し文と現代語訳の対比においては、理解が困難となることが多いのではないかと危惧してきた.すなわち、現代語訳の中に、読み下し文の直接的解説に加えて補充説明の語句が多く挿入されることがある.こうなると、直接的説明と補充的説明を区別することが煩雑で、漢文を通した内容理解が遠退いてしまう.煩雑さを回避して、現代語訳のみを参照する程度に解説書を利用することが多くなるのではないだろうか.これでは、折角上梓された古典解説書の本領が発揮されないことになる.
本書では翻訳に関して従来の解説書にはない工夫を施し、また、従来の解説書における不十分な解説に対して著者の研究を通して新たな説明を加えた.翻訳に関する特徴として、二点が挙げられる.一点には、読み下し文を通して内容を理解することである.読み下しの文中に解説を挿入してあるので、読み下し文を読み進めていく過程で、随時挿入された解説を通して理解できることになる.読み下し文と現代語訳を見比べる必要がないのである.二点には、解説に関して直接的説明と補充的説明を区別したことである.解説には、古典用語自体の説明のほか、文意を明確にするために補充すべき語句が必要になる.この両者の区別を行うことは、通常の表記法では困難である.本書では、文字の書体を区別することで解決した.
本書を通して、東洋医学の基本概念における『黄帝内経』の位置づけを捉えることも、本書を執筆した目的である.
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