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14~17世紀の日本で採掘が進み、東アジア諸国に大量に輸出された「硫黄(サルファー)」と「銀(シルバー)」。その大量産出は、日本社会に新たなビジネスを生む一方で、アジアおよび世界の軍事・経済的な需要と結びついて、東アジア全体の貿易構造の転換をもたらした。
本書は、文献史学と考古学の研究成果を融合させ、分析化学の解析データも援用しながら、生産・流通・交易・消費といった様々な視点から、鉱業社会の長期的変遷を追究する。さらに鉱物資源の偏在に起因する人間の競合・奪取・独占の営みを念頭に、硫黄を征したサルファー大名(大友・島津)から銀を征したシルバー大名(毛利・豊臣・徳川)への覇権の移行を浮き彫りにする。
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