大群

大群

1~2日で出荷、新刊の場合、発売日以降のお届けになります

出版社
彩流社
著者名
ジャン・ジオノ , 山本省
価格
3,300円(本体3,000円+税)
発行年月
2021年2月
判型
四六判
ISBN
9784779127366

ジオノによる唯一の反戦小説。



ヴァランソル高原を通過する羊の群れ。

羊の群れ(Troupeau)と兵士の群れ(Troupe)。

ジオノはフランス人の生活にとり、きわめて重要な「羊」の群れを

冒頭に登場させることによって、この作品に象徴的な意味を注ぎ込んでいる。



若者たちは戦争に出征していった。物語のなかで血なまぐさい

戦闘そのものが描写されることはない。

致命傷を負い瀕死の状態にある戦友を見守る兵士。

ドイツ軍が撃ってくる弾丸を塹壕のなかで避けている兵士。

妻からの手紙を読む兵士。死んだ赤ちゃんを齧っている豚に短刀を

突き刺し、豚と格闘する兵士。羊の群れのなかの

もう動けなくなっていた子羊を預けていた老羊飼いがその子羊を

受け取りにアルルからやってくる。折しも赤ちゃんが生まれ、

ヴァランソル高原にも生命の兆しが感じられるようになっていく。



正義や平和のための戦争はありえない。戦争はいったん始まって

しまうと、止められない。戦争は戦闘に参加する兵士たちだけでなく、

銃後を守る女や老人・子供にも悲惨さしかもたらさないことを、

この作品は雄弁に語っている。

お気に入りカテゴリ

よく利用するジャンルを設定できます。

≫ 設定

カテゴリ

「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。

page top