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多くの人が子供のころから親しんできた、おなじみの日本昔話。
無邪気に楽しむ一方、心の底でこんな疑問が浮かんだことはありませんか?
「なぜ乙姫は、開けたら年を取ってしまう玉手箱を浦島太郎に渡したの?」
「かちかち山のうさぎの仕返しってやりすぎじゃない?」……などなど。
大人になると「所詮子供向けのお話だから、多少おかしくても仕方ない」と片付けてしまいがちですが、じつはそんなツッコミをもとに昔話の背景や裏事情を想像することで、より奥の深い楽しみ方ができるんです。
本書では、ふだんは子供向けの本を中心に活躍中で昔話や民話・伝説にも詳しい著者が、資料や文献を紐解きながら“大人向け”の昔話の新解釈を披露。
王道の昔話12話を取り上げ、成り立ちや様々なバリエーションを踏まえて理解を深める考察と「じつはこんな裏側があったのでは?」と自由にイマジネーションを膨らませたifストーリーなどの読みものも展開します。
「あのキャラクターは本当は裏切っていた」、「あの話の背景はドロドロだった」などという秘められた裏切りや裏事情を通して、「いいお話」としての昔話のイメージを「裏切る」新しい楽しみ方を提案します。
【目 次】
はじめに
第1章浦島太郎―乙姫の愛と復讐
第2章たにし長者―入れ替わった男
第3章こぶとり爺さん―異端の象徴としての「こぶ」
第4章手なし娘―継母の執念とその背景
第5章花咲か爺さん―花は本当に咲いたのか?
第6章舌切り雀―爺と雀の二時間サスペンス
第7章鶴の恩返し―人情と金のはざまで
第8章猿の婿入り―異類婚姻譚はなぜ悲劇に終わるのか
第9章かちかち山―残酷描写・言葉遊び満載のエンタメ?
第10章食わず女房―普通の暮らしにあこがれた山姥
第11章耳なし芳一―天才アーティストを巡る嫉妬と愛情
第12章桃太郎―次世代ヒーローとして求められること
あとがき
参考文献
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