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歴史と記憶の関係を問うことは、心性の次元から歴史上の多様な現象を理解することにつながる。なぜなら、ある時点における過去の「記憶」は、同時代の状況を反映しつつ人々の意識と行動に影響を与え、またある時点に社会的規範として定着した「慣行」は、変容を伴いつつ長期的に持続し、このいずれもが歴史を展開させる原動力になりえたからである。本書は、紀元前一四世紀~後三世紀の西アジア・地中海地域における「記憶」と「慣行」にかかわる諸問題を検討し、様々な「過去と現在」の連関を提示する試み。
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