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「一九〇〇年、小学校令施行規則により平仮名の字体が統一された」。本書は、この一行に対する幾多の註釈である――。
明治時代に現代の平仮名体系が確立した過程は現在まで描かれてこなかった。その欠を補うため、明治時代の小学読本の全体の調査に基づき、平仮名の字体に対する意識の変化を探り、近代平仮名体系の成立を描き出した初の書。
成立より明治まで、書き手に任されてきた平仮名字体は、明治期に人為的な統制を加えられ、現代用いられている仮名字体が成立した。それを成り立たせた、明治期の平仮名の「字体意識」とはいったい何か。その意識の形成を読み解く。
近代平仮名体系の成立を描き、「字体意識」という新たな観点から平仮名史の再構築を行う。
【「一九〇〇年、小学校令施行規則により平仮名の字体が統一された」。本書は、この一行に対する幾多の註釈である。明治期の文字・表記の変化には、多くの言説や法令が関係している。それぞれの言説や法令の背景にあった事情や状況については、関係資料の整理からあきらかになることもまだまだ少なくない。一九〇〇年に施行された小学校令施行規則(明治三十三年文部省令第十四号)も、仮名字体の標準化・表音的字音仮名遣いの採用・漢字数の制限の実施などの点で、文字史・表記史からも重要な法令である。本書に主張があるとすれば、それは、読本という場に焦点を据えることで、ここに行われた「統一」の虚実を明らかにし、ひいては、「近代平仮名体系」なるものの「成立」を描き出しうるということであろうか。】…第一章「明治期読本の平仮名字体意識の諸問題」より
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