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戦後の日米間に横たわる軍事上の様々な密約を、無数のアメリカの機密解禁文書の中から独力で発掘し、広く日本社会に知らしめてきた新原昭治氏。基地権密約・裁判権放棄密約や、砂川裁判・最高裁判決へのマッカーサー駐日大使の不正な工作を証明する超重要文書など、その活動範囲は信じられないほど広く、まさに「密約研究の創始者」「密約研究の父」という尊称にふさわしい人物である。
本書はその長年の研究の集大成として、日本の米軍基地が、単なる米軍の出撃基地ではなく、朝鮮戦争や台湾海峡紛争やベトナム戦争において、つねに核戦争を想定した出撃基地、訓練基地となっていた事実を初めて体系的に明らかにする。
国連で採択された核兵器禁止条約が発効をむかえた(2021年1月22日)いま、世界で唯一の戦争被爆国であるにもかかわらず、同条約に賛成できない日本の歪んだ政治状況と、日本の国民が今後そこからどのようにして抜け出せばいいかについて、これほど大きな指針を与えてくれる本はない。
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