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元朝日新聞記者の牧内昇平、牧内麻衣が立ち上げた物書きユニット「ウネリウネラ」。首都圏から福島に移り住み、自由な表現を求めてブログサイトで細々と文章を発表する傍ら版元を立ち上げたふたりが、日々の暮らしや子どものこと、幼い日の思い出などを綴った、十篇のエッセイと詩。ささやかな物語のところどころに、絵本や俳句、映画などの作品世界が交錯する。
-装画はウネリウネラの3人のこどもたち(刊行時9歳、6歳、4歳)が手がけた。
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ウネリこと牧内昇平より:
ウネラこと牧内麻衣は、取材先からの性被害と、それに対する勤務先(新聞社)の不誠実な対応に長年苦しみ、心を病んできました。新聞社を辞め、小さな出版レーベルを立ち上げたことで、ようやく自分を解放し、自分の人生を歩むことができ始めていると感じます。パートナーの私も同じ思いです。
そういう私たちが作る本は、もしかしたら、苦しみを抱える誰かの心を少しだけ温かくできるのではないか。そんなかすかな期待を抱いています。
この本に直接の被害のことは書いていません。書いているのは、ありふれた「小さなストーリー」です。でもそれは、私自身にとって「かけがえのないもの」でもあります。この本を手にとってくださった皆さんにも、自分自身の「かけがえのないもの」を大切にしてほしいと思っています。
ウネラこと牧内麻衣より:
出版のド素人のふたりが昨年9月に編集・デザインソフトを購入し、右往左往しながら作った手作り感満載の本です。けれどひとつひとつの文章は、静かな心でていねいに、産直野菜をお届けするがごとく、読者の方へ手渡しするイメージで書いてきました。
本をつくることで、人とのつながりや自分の尊厳を少しずつ取り戻していきたいと思います。
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