KOKKO 第42号(2 2021)

特集1:コロナと国立研究機関ー科学技術政策のゆくえ/特集2:2021年版税制改革の提言

KOKKO

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出版社
日本国家公務員労働組合連合会
著者名
野村康秀 , 笠松鉄兵
価格
1,540円(本体1,400円+税)
発行年月
2021年2月
判型
A5
ISBN
9784909237255

[第一特集] コロナと国立研究機関――科学技術政策のゆくえ

20年続く研究力低迷の脱却を



新型コロナウイルスの感染拡大で科学技術の役割が大きく問われています。現状は、菅義偉首相も「科学技術立国・日本にとって、20年近くも続く研究力の低迷は、国の将来を左右する深刻な事態です」(第204回国会における施政方針演説、2021年1月18日)と言わざるを得ないところまで来ています。ところが、日本政府はこの期に及んでもこの20年近く研究力を低迷させてきた「基礎研究の軽視」と「研究者の雇用・研究環境の劣化」を抜本的に転換しようとしていません。加えて日本政府は、「イノベーション創出」という名のもとで科学技術を目先の利益に従属させる道をさらに強めようとしていて、このままではさらなる研究力低下は不可避です。コロナ禍において新自由主義政策を転換できるかどうかは、日本の科学技術の未来にとっても重要であることを、科学技術政策と国立研究機関のあり方から考察します。





[第二特集] 2021年版「税制改革の提言」

ポストコロナを見据えた税制改革を



政府は3次にわたる補正予算を組み、2020年度の一般会計予算の総額は175兆円にまで膨らみました。とうぜん税収は追いつかないため、20年度の新規国債発行額は、当初予算の32.6兆円から第3次補正予算後で112.6兆円となり、80兆円増加しました。今年度の国債発行額はリーマン・ショック時(2009年度・52兆円)の2倍以上です。新型コロナの経済への影響が落ち着いた段階で増税の議論が始まることはほぼ確実といえます。19年10月に消費税が10%に増税され、20年度予算から国税収入において消費税の割合が最も大きくなりました。1990年度実績と2021年度見通しを比べると、消費税は4.6%→20.3%、所得税は26%→18.7%、法人税は18.4%→8.9%へと推移し、所得税と法人税の減税分が低所得者に負担の重い消費税で穴埋めされてきたことは明白です。コロナ禍は、大企業・富裕層を優遇して減免してきた所得税と法人税を見直すにふさわしいタイミングです。

 2021年版「税制改革の提言」では、こうした富裕層優遇の不公平税制の実態と、ポストコロナ社会を支える公正で公平な税制のあり方について提言します。

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