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中世の禅僧たちがもっていた卓越した経営手腕や知識・技術は何に由来するのか?
本書は、禅宗寺院で経営を担当した東班衆の経済活動だけでなく、西班衆の「学問」にも目を配り、禅宗寺院や足利学校で行われた講義の口述記録「抄物」をひもとくことによって、それが中世禅宗の学問、とりわけ儒学学習と密接に関わっていたことを明らかにする。禅宗寺院では、儒学に付随して農業や数学、医学などの実用的知識が学ばれていたのである。経済活動と学問、中世禅宗の二つの側面を架橋することで、禅宗寺院の果たした役割の全体を明らかにするとともに、近世につながる科学知識の萌芽についても見通す。
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