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足尾銅山鉱毒事件の被害を受けた渡良瀬に生まれ、38歳で満州の地に没した逸見猶吉。
“日本のランボー”と称された夭逝の詩人の生涯を描く、書き下ろし長編小説。
彼は二十三歳の時に、詩誌『学校』に連作詩「ウルトラマリン」の第一部「報告」を寄稿し、ついで第二部「兇牙利的」、さらに第三部「死ト現象」を合わせて『学校詩集』に発表した。(…)真っ先に第一部「報告」を目にした草野心平は、「あの詩を読んだ時私は寒気がした。私は感動で震えた。その当時あれ程私を驚かした詩はほかになかった」と言い、また当時『新詩論』を出していて、自らも独自の美学を詩に確立するべく身を削っていた吉田一穂は、「この詩は青天に歯を〓く狼のような不穏な熱情を感じさせる、氷の歯をもったテロリストだ」と絶賛した。その他にも、猶吉の詩からまるで電流に触れたような衝撃を受けたと言う詩人が次々と出はじめた。――本書より
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